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バルサム切れ

中古レンズにはご注意を…

今まで中古のレンズを買ったことは3回ほどあります。

どれもネットの中古ショップです。

よく中古のレンズは現物を自分の目で確かめて購入した方がよいと話があります。

レンズで一番怖いのは機械的な部分もありますが、やはり映りの部分でもあるカビやゴミを気にしていました。

カビやゴミは程度によればなんとか使えるものもありますし、カビが生えたレンズでも保存状態を改善すれば程度の広がりも遅らせることができます。

最悪はレンズを分解して拭き取れば。。。あまりしたくないですが。

といったように、本来はショップに出向いて現物をよく見て、これは使えるレンズか、ジャンクかを見極めて購入するのが理想です。

私は田舎に住んでいるので、中古ショップにいっても欲しいレンズがあることはまずないです。

ですので、どうしてもネットの中古レンズに手が伸びてしまいがちですが。

過去2回は特に問題はなかったので、今回3回目のネット中古を購入したわけです。

今回新たにスタビライザーを購入し、広角で軽い単焦点レンズがほしいなぁと思って検索していたところ、スペック的には申し分ないレンズに巡り合えました。

現行品ではありますが、設計はかなり古いレンズなのでネットの中古もわりと豊富です。

ですが、今回その年代物のレンズを買ったことで中古レンズの恐ろしさを知ったのです。

私が購入したのはネットオークションですが、リサイクルショップとして出展しているお店でした。

まず値段です。

一般の相場より5千円程度安かったのです。

外観は多少傷がありましたがショップが査定したランクとしてはBランク(一般的な中古品)とあり、説明文には後玉に少し曇りがあるが撮影には影響しないとありました。

ショップでもあるし値段も割りと安い。といってもショップの一般中古価格なので他の出品やお店よりも多少安い程度の感じでしたが、ショップという事で購入してみる事にしました。

数日後、商品が到着。早速レンズの状態を見たのですが。。。。

こんな感じで後玉に曇り。。。がありました。

曇りとは人により表現が違うようですが、今回の現象は「バルサム切れ」という症状になります。

略して「バル切」といわれる症状ですが、私ははじめて遭遇するものでした。

(ショップであれば、本当はバルサムに関しては曇りじゃなくバルサム切れが起きていますと表記するのが誠実なお店だとは思います)

バルサム切れとはレンズとレンズをくっつけるために使用する接着樹脂が劣化をして、樹脂の間に気泡が発生していく現象です。

気泡はだんだんと増え、最終的にはそれらが結合して完全に真っ白に曇ったりするようです。

バルサム切れにも程度があるようですが、私が購入したのはご覧の通りかなり劣悪な状態です。

気泡は小さいですが数が多く、太陽が振り注ぐ日中の野外だと、この気泡が影響しないわけがなさそうですが。。。

気泡が光に反射してボヤッとなるのですが、実際はそこまでひどいボヤはまだ確認しずらい。

ですが、現状がこの状態なのであとはひどくなる一方です。

使えるのは数ヶ月か1年か。樹脂劣化は保管状態を改善したところで解決する劣化でもないバルサム切れ。

あともう5千円だしておけば、確実に状態がよいレンズが買えたかもと思うとやるせない気持ちでいっぱいになるのでした。

解決作としては、樹脂の撤去と再度張り合わせ作業が必要になるようです。

修理に出すと2万円以上のコースになり、それだと中古レンズを買ったメリットがなくなる。というか、新品の値段に近づいてしまいます。

こういったレンズはジャンクとして数百円か、2,3千円程度で買って、自己修理をして使えればラッキーぐらいの状態ですが、それを通常の中古価格帯で購入したのでショックは大きく。

勉強代として諦めようともしたのですが、ショップに相談したら返品を受け入れてくれました。

ありがたやぁ~

と思ったのですが、実はその後分かったのが掲載写真の挿げ替えがしてあったのです。

出品ページには数枚の状態確認写真が掲載されておりました。

もちろん後玉(後ろから写した画像)もあったのですが、バルサム切れを見せたくなかったのか若干引き気味。

バルサムはあるていどの接写と、照明などの光をあてると鮮やかに出てくるので、状態を掲載することは可能です。

ですが、これでは一番肝心な部分の確認はできなかったのです。

若干の曇りとあったので、その画像で納得せざる終えない状況ではありましたが、ここが甘い認識でした。

しかも。。。その部分の写真だけ別モデルの写真を掲載していたのです。

これは間違いなのか、あえて。。。なのかは分かりませんが、もし対応してくれなかったらこの話を出してみようと思っていたので、すんなり返品対応とあったので黙認しました。

ということで、中古レンズを買うときはショップ、個人出品に関係なく慎重に購入する必要があります。

状態の程度が書いてあったら、その部分の話を詳細に尋ねてみて、できたら写真でわかるように別掲載してもらうとか。

ジャンク価格ならばよいですが、2,3万出すのでしたら後で後悔よりも、先に出来るだけの事をしておくことをお勧めします。

というよりネットで中古レンズは買うのは避けたほうが良さそうですねw。

状態が綺麗で、かつ購入時期が新しく、保管状態もよい。なんて書いてあったらよいですが、それでも慎重になるべきことだとは思います。

<バルサム修理>

バルサム切れを自己修理する場合、レンズを分解する必要があります。

専用の工具があり手軽に分解できそうではありますが、失敗すると逆に状態を悪化させてしまったり、ゴミが混入してしまう事もありますので使えればラッキー程度のレンズにしておきましょう。

もちろん、自分で作業するとメーカー修理は受け付けてくれなくなりますので。。。

バルサムは特殊な樹脂で接着されているので、まずはレンズを剥がす作業をします。

冷やしてから急激に暖める方法。

煮詰める方法。

とあり、総合すると暖める方法で樹脂を蒸発させる方法です。

オーブンで焼くとかもみました。

レンズを冷やしてから暖めるのは、最悪レンズが温度差で割れてしまうのでお勧めできないとのコメントもありました。

レンズがはがれたら樹脂をよく取り除き、紫外線で固まる溶液やワセリンなどで再貼付をします。

これを実行できる覚悟があればジャンクレンズも救済できるかもしれません。。。私は怖いのでやりませんが^^

皆さん、カビ以外にもバルサム切れレンズにはご注意を!

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