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Neumann U67

今回ご紹介するのは真空管マイクの「Neumann U67(復刻版)」です。

■スペック

真空管マイク
スペック:無指向性、双指向性、単一指向性
周波数特性:20Hz-20kHz
最大SPL:124dB
SN比:73/77/74dB
出力コネクタ:マイク本体(7Pin)、パワーサプライ(XLR3F)
等価雑音ノイズ:21/17/20dB-A
Weight:560g
付属品:ビンテージケース、NU67V、ショックマウント(Z48)、7Pinコネクションケーブル(UC5)

真空管のマイクは過去に一度だけ(ほんの数日)所有したことがあります。
無印のProtoolsとdigi003インターフェースを導入したときにキャンペーンで付属してきたM-AUDIOさんのマイクです。

真空管マイクは専用の外部電源が必要となります。
仕事ではコンデンサーマイクが基本構成となっています。

電源も収録機器からのファンタム電源で管理できるのでコンデンサー、またはダイナミックマイクを使っての構築です。
真空管は専用に電源が必要なので、その引き回しを考えるとあえて手を出す事はありませんでした。

さて、Neumannの代表的なコンデンサーといえばU87ですが、このクラスのマイクがあると更に上のクラスのマイクも気になり始めるのです。
87の上となると、結局真空管マイクとなるのです。
(もちろん仕事ではなく私的に使うのが第一の目的です。)

Neumannの真空管マイクには、U67の他にM147、M149、M150の全4機種になります。

私が真空管マイクを意識し始めたのは6年以上前にはなるのですが、その頃はU67の現行販売はありませんでした。
トップクラスの真空管としてM149があり、海外や日本のトップクラスのスタジオでのボーカル録音なんか見てもM149が使われています。
マイケルジャクソンのレコーディングでも使われていたり。

M149はサイズも大きくU87よりも一回り大きく迫力があります。
肝心な音ですが、残念ながら私の職業柄M149を使う場面に遭遇することもなく。
ですがNeumannのフラッグシップモデルですので悪いわけはありません!

将来このM149を所有できたらなぁ。。。なんて夢を抱きつつも私にはU87がある!と強く心に思いとどめていました。

■タイミング
そんな中、2018年にU67が復刻されたのです。
InterBeeに行った際もガラス展示されていましたが、その時はさほど興味はなかったのです。
価格もM149より30万以上高く、マイク1本に90万以上もかけられない!
M149の60万円だってなかなか手がだせないのに。

M149じゃなくU87を2本追加した方が幸せになれるんじゃないかとか^^

M149はNeumannとしては設計も新しい方だし大きくて見た目も派手。
U67は過去の音を求める方が買うものだと勝手に思い込んでいたのです。

発売から1年ほど経ったときでしょうか、歴代のNeumannのマイク群の視聴動画を見つけました。
当然のことながらM149が良いのだろうと見ていると。。。

U67は別物な音のしまりと艶。
M149はかなり広く音を集音しているのですが、U67の音と比べると解像感はあるのですが、線の細さに癖を感じるようになったのです。

今まで思い描いていたM149の音が次第に癖に感じるようになるくらい。U67の音は魅力的に感じるようになったのです。
そこからは値段に対する不安感よりも欲しいという想いが強くなっていったのです。

お金を貯めてU67にしたい!いつかね^^

それから2年ほど月日が流れた時にある事件が起こったのです。
それが値上げです。

Neumannは過去にも値上げがされてきたのですが、ここにきて過去最大級の値上げが起こりました。
U87にあたっては20万近くも値上げされました。

当然U67も値上げ対象です。
定価では100万超えになってしまうということに。

さすがに100万を超えるのは。。。。
今しかない。。。。と

そうして気付いたら今購入するしかない!と値上げ1ヶ月前に決断したのです。

予断ですが、U67はノイマンの3人のマイク製造者で作っているそうです。
記事当時がそうだったので今はもう少し増えている可能性はあると思いますが。
故に予約注文してから3ヶ月以上待たないと手に入りません。
当初私は早くて3ヶ月以上となっていたのですが、運よくそこまで待つことは無かったです。

近い価格でソニーの800Gも一時期生産終了していたのですが、2021年に入り再度生産が開始されました。
価格は120万くらいしますが、かなり解像感の高い真空管マイクとなっています。
形状がマイクの後ろにヒートシンクがついていて、これがまたかっこいい♪

800Gも大変すばらしい憧れのマイクです(涎

■U67本体


かなり前置きが長くなってしまったのですが、こちらがU67です。なんて簡単に語れない。
Neumann同好会があったら入りたいくらいの私のU67馴れ初めでありました^^

ここからはいよいよU67の本体について触れていきます。

外観はこんな感じです。
見た目はほぼU87です。

見極めポイントはマイクの根元とエンブレムです。
U87はキャノン端子の接続部分が飛び出しています。

U67は真空管への電源供給の為の専用のケーブルで接続されています。
電源からは通常の3ピンキャノンで出力します。

この専用ケーブルとマイクの接続部の形状がことなり、U67では端子の接続部が中に入り込んでいる為、飛び出していません。

それとノイマンのエンブレムです。
U87は青紫色ですがU67は黒です。
ここが見極めポイントとなります。

■ショックマウント
U67には専用のショックマウントが付属してくるのですが、これが現行のU87のEA87サスペンションホルダーとは異なるのです。

U87のホルダーはマイクの下部のネジとショックマウントを固定する方式になっています。
U67はマイクの筺体を掴む構造のホルダーが付属してきます。
これは先ほど説明した下部の状態が87の異なる事が関係しています。

旧87のショックマウントはU67のマウントと同じ筺体を掴む構造のタイプがありました。

構造上どちらが良いのかわかりませんが、U67のマウントは若干スマートとなっています。

■電源
専用の外部電源です。
チューブマイクといえば外部電源。
私の仕事環境では少々やっかいになりそう。
ということで、ステージでも長まわしできる専用の電源ケーブルも製作する事になったのですが。。。それはまたの機会にw

この電源の欠点といえば。。。持ち手ハンドルを固定しているメッキパーツです。
これが錆び易いのです。

なので極力素手で触らないようにし、クリーニングクロスで清掃。
メッキ磨き材でメンテナンスも怠らないようにしましょうw

このアナロジーなON状態を表す電球?もいいですよねぇ(涎

3芯のコンセントケーブルが付属してきますが、これは国によってパターンが違うようです。
日本は国内で使える3芯のケーブルが1つ付属してきました。
購入時は電源ケーブルのみ別箱に入っていました。

■専用ケース
そして何よりインパクトがあるのがケースです。
楽器ケースのような作りで、これがまたゴージャスなんです。

ケース上部内側はクッションになっています。
マイク固定部は取り外して、その下にマイクケーブルが収納されています。

ケースの外側ですが、布で出来ていますので扱いには注意が必要です。

■音
ここが一番気になる所ではないでしょうか。

U87とU67ってどう違うの?形は同じなのに?
という所となりますが。。。

U87はとにかく万能なマイクです。
今回私がU67を導入して思ったのがU87は良い意味で万能マイクなんだなぁと。
歌や楽器の音色の集音はもちろんのこと、やはり声というものをしっかり集音してくれる。

これがU87ならではのキャラクターであり、ナレーションやアフレコ現場でも第一線で使われるマイクであるんだという事を強く感じました。

というのがはっきり認識できるくらいU67は音楽的なマイクだということです。
もちろんU87でも音楽を録音する上では十分に魅力はありますが、U67はまた違う世界観なんです。

ナレーションのような声の形を解像度高くしっかりと表現するマイクに対し、U67は音楽的な要素を表現できるマイクとでもいいましょうか。
ともかく音楽的なんです。そして独特なツヤと音の質感。
これは使い比べると分かるところなんですが、音楽で使うならU67であるべきだと強く感じた次第です。

ニュアンスを音楽的に捕らえてくれるので表現力が非常に豊かです。

U87の太さとキャラクターに引き締まりと自然な安定感。
さらに音楽的な表現までもを捉えることができるマイク。
それがU67です。

このマイクでソロ楽器の収録を沢山したいです。
歴史に残るような名演奏を収録したいです。

みなさん、是非是非ソロアルバム製作に私をつかってください^^♪

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