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三脚スプレッダー
今回はカメラ三脚のスプレッダーについてです。
スプレッダーとは三脚の足開きを制御するパーツになります。
写真用のカメラ三脚の場合、足の開きが段階的に開くような機構になっていたり、そもそも完全に開ききってセットするものもありスプレッダー自体が搭載されていない機種が殆どだと思います。
ビデオ三脚の場合はスプレッダーが搭載されているのが一般的です。
このスプレッダーは2つのカ所に搭載されています。
1つは三脚の中央に位置する中間スプレッダー(ミッドスプレッダー)になります。
そして三脚の一番下部に搭載されるグランドスプレッダーがあります。
趣味用の三脚の場合、中間スプレッダーが搭載されている事が多く、業務や報道の現場ではグランドスプレッダーが使われることが多いです。
どちらが良いかとなりますが、使う場面によってはどちらかがNGになる場面があります。
例えば、山岳地帯のような地面が安定していない凹凸の現場ではグランドスプレッダーはNGです。
この場合はミッドスプレッダーが必要となり各足の長さを凹凸によって変化させたり、足の先端が分かれていることで足場の悪い場面でも設置ができるようになります。
対してグランドスプレッダーは地面が平らであれば素早く三脚を組み立てる事ができます。
足の長さも一気に統一できたり、報道のような連続的に場面が展開する時もグランドスプレッダーを足の先で突っついて素早く三脚本体の開きを収納させたり。
カメラが搭載された状態で足の長さを変化させる場合もグランドの方が事故がおこりづらいです。
移動先ではスプレッダーを足で踏みつけて足を開くなど、スピード重視で安定させることもできます。
■スプレッダーのデメリット
中間スプレッダーは困難な足場での設置には卓越していますが、設置範囲が狭い場所では広さ制限がでてきます。
ある程度の開きは設定できはするのですが、足の長さを延ばせば延ばすほど三脚の開きが大きくなります。
場所が狭い所ではミッドスプレッターを不安定な角度に曲げて使わなければならないなど、そういった面でも報道では他社の三脚エリアに迷惑をかけないようにグランドスプレッダーを使う方が多いです。
また、グランドスプレッダーの場合開きを最小にできるうえ、その開きが小さい分高さも確保する事ができるようになります。
三脚の開きの中に、人が1人すっぽり入るくらいになれるので三脚がひしめき合う現場では重宝します。
これが中間スプレッダーであると、最悪足の1本がだれかに小突かれてしまう危険性もあります。
足の開きが容易に変化させられる可能性もあるので、そういった面からもタフな現場ではグランドスプレッターがお勧めです。
とはいえ、グランドスプレッターは先にも書いたように足場の不安定なところでは設置自体がNGとなります。
どうしてもスプレッダー本体の全面が地面に着地している必要があるので、凹凸が激しい場所だと設置が不可能になります。
またコンサートホールでは座席の下に空調のダクトがついている場合などはグランドではなく中間で足を違う場所に逃がせる機構が必要な場面もあったり。
■結局どちらがいいの
結論としましては、私の場合ですがグランド一択になります。
これは使う現場によりけりなのですが、私は安定しない地面での活用はほぼなく、外でも安定した場所を探して設置したりで対応できております。
またグランドの方が足の開きのバランスもよく、より強固な設置ができると思っています。
■お勧め三脚
私がお勧めする三脚ですがザハトラーやヴィンテンが採用しているフローテックです。
このフローテックにもセット品を購入じは中間かグランドで選ぶ必要はあるのですが、なんとこの三脚はスプレッダーがなくても、ある程度の足の開きを設定できる機構になっています。
もちろんスプレッダーがあれば、より精密には設定できるのですが、スプレッダーなしでもある程度の開きのパターンが選択できるので、写真用の三脚の機構が付与されたような感じになっています。
そんな事もあり、フローテックを選ぶ場合も間違いなくグランドがお勧めです。
また仮にパーツ購入する場合も、ミッドは3万強、グランドは7万強という価格差もあったり、その割にはセット価格の場合は1万くらいの違いしかないので、あとからパーツを購入する事があった場合もグランドモデルを購入するのがお得となります。
一般的な三脚ではグランドスプレッダーはほぼ無いのですが、ビデオ三脚を購入する場合はそのあたりも考慮するとより場面に特化した三脚選びができるかと思います。
特に中古で購入する際はミッドが付属の場合、あとからグランドだとかなりの出費になる可能性があるので、そんな事も想定しながら購入すると後々の出費を抑えられるのかとも思います。