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U67的真空管の世界♪
U67を購入してから真空管について色々勉強しております。
僕が興味をもっているのは予備管として導入すべき真空管となります。
(交換をして音の変化を楽しむとか、音の向上とかではなく^^)
真空管は電気を通さない限り劣化はほとんどないそうです。
見た目がガラス製でいかにももろくて弱そうですよね。
調べてみると、見た目とは違いよほどの事(真空管に直接物を落とすとか)が無い限り割れる事も少ないそうです。
確かに真空管アンプなんて真空管がむき出しになっている機器もありますもんね。
電球のように切れたら交換するものではありますが、切れるというよりか性能が劣化してきたら交換となるそうです。
とはいえ普通に使っている分にはそうそう気にする事はないそうなのですが。。。
そもそも真空管は気軽に手に入るものなのか、と言えば専門店にしか置いていません。
すぐに代わりを入手できればよいのですが在庫がない事もあるようなので予備管を所有しておきたいという気持ちが^^;
旧U67に標準装着されているのはテレフンケン社のEF86管です。
EF86には改良版のEF806Sがあるのですが、これがなかなか入手が困難で特にnosと呼ばれる未使用の管を目にする事は少ないようです。
■真空管の寿命とは
真空管とは増幅装置です。この増幅度が30%低下すると交換時期となるようです。
真空管には、プリ管、パワー管、整流管があり、それぞれ寿命時間があるようです。
プリ管は1万時間。パワー管は8000時間。整流管は5000時間となるようです。
見た目だと「ゲッタ」と呼ばれる色がついた部分があり、その色が薄くなったり面積が縮まってくると寿命が減ってきていると判断ができるようです。
新品状態を撮影しておくとよいかもしれませんね。
■AEGブランド
Telefunkenが真空管の製造を終了したのは1977年から1979年となります。
1977年にベルリンが終了、1979年にウルム工場が売却されました。
製造終了後は東欧諸国で製造がされたものを販売していたそうですが、1985年以降はAEGブランドで販売がされていたようです。
■JJ ELECTRONIC
JJ ELECTRONICは1994年に創業したメーカーで現在もさまざまな真空管を製造しています。
スロバキアに工場があるようですが、このメーカーはTesla社という、これまた真空管の製造していたメーカーの後続会社だそうです。
Teslaの工場、技術、人員を受け継いでいるそうです。
このTeslaはTelefunkenのコピーモデルを製造していたりもしたそうです。
そしてTelefunkenの名前を継承したTelefunken-Elektroakustikがあるそうですがアメリカの会社で、実は製品はJJ ELECTRONIC製のOEMとのことです。
現在Telefunken名義で販売されているマイクは、このTelefunken-Elektroakustikが製造販売しています。
Telefunkenで販売されている現行のチューブマイクがあります。
例えば、C12だったり、TF51だったり。
これらに使われている真空管はTELEFUNKEN Elektroakustik 6072A(75ドル)となっています。
本社の画像をみると真空管には緑のプリントでMADE IN U.S.Aとなっている。
現行品のTELEFUNKEN Elektroakustik真空管は白色ではなく、黒色でプリントされています。
ということで、現行品のEF806Sを購入するならJJ ELECTRONICが一番安全圏ではないかと思います。
とはいえTelefunken-Elektroakustikの製品はクライオジェニック処理がされ、2度の検査を通った信頼度が高い性能となっているようです。
■JJ ELECTRONIC製品
EA86の製造はしていませんがEF806Sの製造はされており、ピンの色が金色のゴールドロゴバージョンとシルバーピンの赤ロゴバージョンがあります。
どちらもスペック的には同じですが、若干メッキの関係でゴールドバージョンが高いようです。
■復刻版U67搭載真空管(EF86)
復刻版のU67に標準搭載されているのはメーカーの表示がありません。
webページには選定された真空管が搭載されているとの文面のみです。
真空管自体にもNeumannのステッカーが巻き付けられているのみでメーカー名がわかりません。
ですが見つけたのです。
海外のページで模索している人がいました^^
どうやらTung-Solの製品らしいのです。
■Tung-Sol(EF806SG)
そしてそして。。。予備管として最初に購入したのはTung-Sol(タングソル)というアメリカのメーカーの真空管です。
真空管の製造はロシアとなっています。
どうやら現行の復刻U67に搭載されているのが、このTung-Sol社の真空管らしいのです。
確かにNeumannのホームページや復刻時の音楽雑誌にロシア産の選定された真空管が使われていると書いてあるのです。
当初、今でも存在するテレフンケンが復刻のために真空管を製造したのか。と思っていたのですが、現テレフンケンもアメリカのメーカーとなっています。
(元々のテレフンケンはドイツ(ベルリン)の会社でした)
製造委託もスロバキアと近いのですがロシアではないのです。
テレフンケンからは現行で真空管マイクの販売もあるのですが、そちらはテレフンケンの真空管が使われています。
806S管を現行で製造しているメーカーはTung-Solの他にRSD社とJJ ELECTRONIC社があるのですが、RSDの806Sは見た目からして違います。
JJ社製品はスロバキア産ということでロシアのすぐ近くということから、JJ社ではないだろうかと思っていました。
しかも中の構造が復刻版とかなり似ています。
調べを進めてみるとJJ社はなんとテレフンケンと関係性があり、現行テレフンケン真空管はJJ社のOEMなのだとか。
自分の結論もJJ社と結論が出そうになったときに海外のとあるページにたどり着いたのです。
それがTung-Solというメーカーが作っている。
しかもロシア産であると。
それに加え、このTung-Solは今までEF86や806S管を製造した事がなかったそうなのですが、著名なブランドの権利を取得したとあるのです。
これは。。。Neumannでしょうか
復刻版に搭載されているEF86と見比べても管の中の足がレッド加工であったり瓜二つな感じです。
おそらくこのTung-Solの管で間違いはなさそうです。
ちなみに某スタジオさんのU67にはJJの真空管が入っているとあります。
■テレフンケン EF86
さて、元々のU67にはテレフンケンのEF86が搭載されていました。
先にも書きましたとおりEF86が改良された高信頼版のEF806Sであり、806Sを搭載させている67もよく見かけるパターンです。
となると、やはりテレフンケンの真空管も気になるところですよね。
ですが現行品ではないためテレフンケンの管を探すとなると一苦労します。
ですが、やはり当時と同じtelefunkenの真空管が欲しい!
ということで入手しました。
telefunkenは現在アメリカのメーカーとなっており、現行でEF86もEF806Sも製造していません。
つまりtelefunkenのEF管を導入するとなると、当時の物をしかないのです。
これは胸が熱くなりますよね^^
まさにロマン直行便です。
真空管は劣化するものです。
測定器なり、見た目の賭けで購入するといった事になります。
またテレフンケンとなるとプレミア価格になっており2万円ほど覚悟しないといけません。
そして一番怖いのが偽物です。
これだけ有名な真空管になると偽物も存在するとか。
見極めはダイヤマークといわれる◇がガラス管の底に刻印されているとか。
この刻印は後からつけるのは困難で(ガラスに◇が押し当てられた形状)そこが見極めポイントらしいのです。
箱も忠実に再現されているため、より見極めの眼が必要となるのではないでしょうか。
一番は真空管専門ショップで購入するのが安全ですが、それでも価格が高いので勇気がいりますよね。
しかも交換作業まで待ってますから、そりゃぁもう心臓バクバクです。
ですが、今回復刻されたU67は完全なる復刻とあるように、1回目に復刻されたU67とは違うのです。
そうなると当時のtelefunken EF86管で使いたくなりますよね。
実際に交換してみた感想ですが、新品時のような音がパリッとした感じがなく、音の抜けが良くなりました。
初期搭載の真空管の厚みがややスッキリして、より使い易い馴染む感じになりました。
そうなると。。。改良されたEF806S管が気になるのです。。。
■テレフンケン EF806S
ということで、ついにEF806Sまで辿り付きました。
日本で発売しているお店はほぼ無く、海外のサイトで購入するしか道はないのか。。。
数ヶ月の旅でしたが、ひたすらEF806S管を探す私でありました。
そしてその日はついに来たのです。
しかも日本のお店でnosのEF806Sのペアセットです。
ペアセットということで一気に2本のEF806Sが手に入ったのです。
これで真空管貯金が4本となりました^^;
しかもnos管ですよ!
1本でも貴重なのに2本。これは神の思し召しである!(都合の良い時だけ神頼みです)
早速交換してみましたが、EF86とはまた一味ちがったしっとり感と艶。
そしてなにより気持ちの問題が一番でかいのです^^
まさにU67の真空管の旅はゴールを向かえたのです。
思いのほか早めのゴールでしたが、このEF806S管が真のゴールなのです。
予備も1本あるので、私にとってはこれが最初で最後の真空管の旅となりました。
とはいえ、ここまでくると病気だと思います。
真空管をこよなく愛する方たちから見ればたいした旅ではないかもしれませんが、普通ならば予備管を用意するのであれば現行品のTung-Solでいいんだと思います
なにせNeumannが認めた初期搭載の真空管なのですから。
ちなみに、Tung-Solの真空管はヨドバシさんで買いました。
価格は送料込みの¥4470円でポイントがつくので実質4千円くらいです。
お取り寄せ品なのですが約1月半できました。
Tung-Solの真空管も、このご時勢いつまで製造されているかわかりません。
予備用は1つでもあると安心ですよ♪
今回はU67の交換用真空管についてでした。
最近は復刻版U67を導入される方も多いので、交換用の真空管もいざの時のためにあると安心♪
ご参考になればと思います。