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+4dBu と -10dBV
音響機器を扱う上で出てくるワードになります。
使う場面は、音楽機材の出力をミキサーへ受け渡したり、逆にミキサーから音をもらう際に相手側との接続の打ち合わせで出てきます。
音楽機材の基準入力レベルの事なのですが、「+4dBu」と「-10dBV」がありますので、相手の機材の設定と合わせる必要があるのです。
よくみると+4はdBu、-10はdBVと、おしりの単位が違います。
これらの数値は、電圧の信号レベルになります。
と書いていくと話がとっちらかってしまうので、とにかく、音響機器にはこれらの2つに信号レベルが分かれるので、相手側の設定とあわせる事が必要となります。
ホールで仕事をする際に音をホールへ返す時に「プラ4」で返しますと話をするのですが、これを話すことにより、相手は返しをもらう際に+4dBuで送っていると認識されるのです。
■マイクレベルとラインレベル
音響機器には、まずこの2つのレベルにわかれます。
マイクレベルとは文字通りマイクのレベルです。
マイクの信号は非常に小さいので、マイクレベルが受けられる専用ラインに接続します。
いわゆるマイクヘッドアンプというもので、そこで信号を増幅させる必要があります。
マイク入力はXLR(キャノン端子)にて接続します。
ラインレベルは一定のレベル信号が出ていますので、ライン機器はラインレベルの端子に接続します。
業務用のラインレベル機器はTRS(フォン端子)にて接続します。
ラインレベルは、業務用機器では+4dBu、民生機器では-10dBVと分かれています。
業務用機器というのは、ミキサーであったり、プロセッサーであったり、業務用のプレーヤーなどになります。TRSにて接続します。
民生機器というのは、ご自宅で使うような一般的な機器。出力端子にRCAピン(赤、白)が使われているものになります。
ややこしいのですが、XLRならマイクレベル。フォンならラインレベル。
と認識しておきましょう。
RCAピンもラインレベルです。
楽器もフォンですのでラインレベルとなります。
別の言い方だと、バランスはマイクレベル。アンバランスはラインレベルとなります。
■+4dBu
業務用の音響機器は+4dBuが基準とされています。
これは電圧にすると1.23Vになり、その信号をミキサーで入力した際に、ミキサーに搭載されているVUメータがゼロを指すようになっています。
このゼロの位置が+4dBu(1.23V)とうことで、業務では+4dBu(プラヨン)でのやり取りにするわけです。
ですが、これはあくまで業界規定でありますので、念のために相手との打ち合わせでは+4dBuで返しますといった確認が必要になります。
ようは業界規定の+4dBuでやりとりしますよっとの確認です。
ここで、音響スタッフが経験するのが、一般機器への出力をする時です。
業務機器だけでのやり取りだと、そんな弊害はないのですが、例えば民生機を持ち込んでそこへ音が欲しい。
また、民生用のビデオカメラに3点のマイクの音が欲しいといわれる場合です。
相手の機材が業務機器なのか、民生機なのかの打ち合わせもないまま、音の回線をペロッとくれといわれる場合に音響スタッフは、+4dBuでなのか-10dBVでなのかという話になります。
もちろん、相手がプロであるならばまずは相手の基準レベルでもらうことが前提となるのですが、たいていの場合は基準レベルの話を理解していない方が多くおられます。
そうなると、送る側も相手に合わせてあげる必要がでてくるのですが、業界基準の+4dBuを-10dBVに変換して送るのか、相手側が変換するのかという流れになったり。
とにかく音響スタッフとしては相手の環境を知るのが「面倒」になるのです。
音をあげるならまだしも、受け取る側だとしたら、最低限相手の環境に合わせるか、自分で変換するかの手段をとるべきなのですが、おそらくそんな場合は変換などはもってないと思われます。
<予断>
ここでひとつ予断ですが、会場に備え付けの3点マイクだったり、アナウンスマイク回線は、すべて料金が発生しています。
たとえば、3点マイクの場合ですが、ホール備え付けのマイクを使う場合。業者持込のマイクの場合がありますが、たとえホールのマイクを使っていない場合も、3点システム費用が発生しています。
といったように、マイクや回線といった施設機材の費用が発生していることを頭にいれておいてください。
そうなると、PA屋さんやホールさんから音をぺろっとくれという言葉は出てこないはずです。