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動画撮影時のシャッタースピードについて
動画を映す時に皆さんはシャッタースピードに注意されていますでしょうか?
最近は4kで60p撮影できるカメラもありますよね。
今回はそんなシャッタースピードのお話です。
撮影するフレームは映画では24Pが主流です。
これは1秒間を24コマに分割して撮影するのです。
このコマ数が増えれば増えるほど滑らかな動画になります。
コマ数が少ないとぱらぱら感がでるのですが映画のような24コマになると、このコマ数の少なさが映画独特のフィルム感が出て質感として味わうことが出来ます。
ですが、これが家庭用ムービーのような日常の記録となると、通常は24コマでなく一般的には60iという形式で表現されます。
現在の一般的なビデオカメラで選べるフレームですが、24p,30p,60p,60iとなっています。
更には120pで撮影できるカメラもありますが、これはスロー再生させるためのフレームレートで、通常は60pあれば滑らかな映像表現が出来ることになっています。
滑らかで、より動きの木目細やかさが見えるのでリアル感が出ます。
120pはハーフスピードの60pにし再生してもカクカクしたスローではなく、非常に滑らかなスピードで再生ができる120pモードを搭載したカメラも出ています。
話はそれましたが、テレビ番組のようなスムーズなフレームレートにするには60iか60pが必要になります。
(テレビ放送は60iです)
60pのpはプログレッシブ。
60iのiはインターレスとなっています。
pとiはどう違いがあるのかとなりますが、pは1コマに1枚の絵をドカンッと表示させます。
iは画面の半分だけ表示させます。
iの場合2コマで1枚の絵を表現することになるのですが、1コマは画面の上半分。2コマ目は画面の下半分となり、人間の目の錯覚を利用して滑らかさを
再現していることになります。
なので、pの動画を一時停止手も1枚の絵が綺麗に表示できますが、iの動画を一時停止すると、画面がぶるぶるしてしまいます。
これは1コマ目の上半分と、2コマ目の下半分を交互に表示しているのでぶるぶるとなってしまうのです。
よって、60iは60コマの様にみせておきながら、データーサイズは30コマ分しかないのです。
つまりデーターサイズとしては30pと同じ容量になるのです。
ですが30pの場合、1秒間に30コマ表示させるので24コマに比べれば滑らかですが、まだぱらぱらしてしまうのです。
これを回避させる為に今回のシャッタースピードが関係してくることになります。
24コマの映画をみても、あまりぱらぱらとは感じないでしょう。
質感が映画チックであり決してぱらぱらはしていません。
それはシャッタースピードの関係があるからです。
シャッタースピードは名前の通りシャッターの下りるスピードです。
この数値が高いほど1回のシャッター速度が速くなりますので、早くなれば早くなるほどスピードの速いものを止まって撮影できるようになります。
ゴルフのスイングを撮影しても、シャッタースピードが遅いとゴルフクラブがぶわーっと流れるように撮影されるのですが、シャッタースピードを上げるとクラブがパリッと
止まった様に写す事ができます。
写真の世界になると1/250とかそれ以上にして選手の動きや顔をぶれなく撮影しています。
意図しない動きをする鳥などの動物を撮影するにもシャッタースピードを上げて撮影します。
動画でも同様で、シャッタースピードが遅いとぶれますが、あげるとパリパリに映ります。
ですが動画の場合、フレームレートとシャッタースピードには関係性があり、これらが一致しないと違和感のあるギクシャクした映像になってしまうのです。
スイングを見せるためにわざとシャッタースピードを上げてぱりぱりした映像を見せる場合もありますが、通常はそうはしません。
海外の戦争映画で60コマでパラパラの動画があります。
これはパラパラを逆手にとって、爆風でちった小さい石などの粉砕が見えるように表現していますが、通常の映画ではありえないので話題にもなりました。
また動画の場合、蛍光灯などの周波数特性のある照明の場合、シャッタースピードが合わないと蛍光灯が瞬くのです。
これは周波数が合っていないので起きる現象で「フリッカー」と呼ばれています。
日本だと東日本が50kHz。西日本が60kHzとなっており、この数字にあわせないと蛍光灯がチラチラしてしまうのです。
50kHzの環境の場合、50かその倍くらいとなるので、シャッタースピードは自ずと、1/50か1/100となります。
関東の場合60kHzですので、1/60か1/120となるのです。
あまり深いことを考えず蛍光灯でチラチラでたら、チラチラしないシャッタースピードを選べばいいわけですが。。。
そんな蛍光灯がない野外では、もうちょっと自由が利きます。
ここで下記にそれぞれのフレームレートに適したシャッタースピードをまとめてみます。
24p 1/25、1/50
30p 1/30、1/60
60p 1/60、1/100
120p 1/125、1/150
となっています。
通常は前者。フリッカー時は後者のシャッタースピードを選択するとなっていますが、大体フレームレートの倍の数値で撮影している事が多いようです。
1/25や1/30はフレームレートは合っていますが遅すぎやしないかとなります。
24や30フレームだとパラパラするので、シャッタースピードを遅くすることにより、動きにブラーが生じてそれがぱらぱらの感じを防いでくれるのです。
そんな関係もあり、通常使用では使ってもフレームの倍までとなるのです。
シャッタースピードを下げるとブラー効果でパラパラ感を抑えることが出来ますが、シャッタースピードを上げると光を多く取り込めるようになるので明るくなるのです。
部屋の中などの暗い場所では有利になったとしても、外だと白トビするくらい明るくなってしまいます。
そこでレンズの絞りをしぼって光の量を減らそうとするのですが、そうすると輪郭がはっきりしていきますので、それがまたパラパラ感を強めることになるのです。
そこで絞らないで光の量を減らす方法として「NDフィルター」を使うのです。
このフィルターはサングラスのような暗い色のついたフィルターで、フィルターの番号によって色の濃さが分けられています。
ND8とかND16とか。数値が増える毎に濃くなります。
光の量によって使うフィルターを変えたり、NDフィルターを複合させたりと使い分けます。
使い分けが面倒な場合、2枚のフィルターを回転させながら濃さを変えることができる可変タイプもありますが、よほど精度の高い可変フィルターで無い限りは解像度に影響が出てしまうのと、
ムラがでるので極力通常のNDフィルターの使用をお勧めします。
といったように、今回はフレームレートとシャッタースピードの関係性のお話でした。
私も24P撮影がどうしても不得意なのですが、数値だけでは簡単には解決しませんので難しい場合は高いフレームレートでの撮影がお勧めです。
高ければ滑らかにする為に苦労も少ないわけで。。。
ですが、いくら60フレームだからといっても限度があります。
フレームレートの倍以上あげるとパラパラ感が出てしまうので許容範囲での設定で滑らかな動画を手に入れましょう。
質感の低フレームか、リアル感の高フレームで撮影するか。カメラの発達で自由度は増えてきています。