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RME UFXを単体メモリープレーヤーにしよう
私は打ち込みの際にRMEのUFXを使用しています。
UFXには正面にUSB端子が装備されており、そこにUSBメモリーや外付けHDDを接続するとPCを使わなくてもUFX単体でレコーディングが出来る機能が搭載されています。
今回はこのUSB端子を使って、本機をメモリープレーヤーにして活用してみる実験をしてみました。
結論から言うと、メモリープレーヤーには出来るけど扱えるファイルに制約があって、操作も面倒くさいので簡易的な使い方で。
といった感じです。
私が今回どうしてメモリープレーヤーにしようかと思ったのは、PCを起動させなくても単体で動かせば音楽用のハイレゾプレーヤーの変わりになるだろうし、
単体のみで再生させたら純粋な感じがしていいなぁと思ったからです。
実は会社でも同じ機材を使用しているのですが、外付けHDDにマルチトラックのレコーディングデーターのバックアップをしています。
この機能があるからこそ購入したのですが、PC内のハードディスクにソフトウェアでレコーディングしつつ、RME本体でも同じマルチデーターがバックアップとして回せる。
それが実現できるので、万が一PCがフリーズした場合でもRME本体のマルチレコーダーは動いてくれるという保険で使用しています。
私は家ではこのUSB端子に関しては使っていませんでした。
なので宝の持ち腐れでもあるのですが、再生用として使えばいいのではと思ったのです。
前にも一度試した事があったのですが、その時は作った音楽データーが再生できませんでした。
なので、深くは考えずに単純にRMEの機材で録音したデーターのみしか再生が出来ないと思い込んでいたのです。
ですが、今回改めて再生できるのかと調べてみると「無圧縮のデーターを再生可能」という文字を見つけたのです。
それ以上の事は一切書かれていないので、今回は再度挑戦してみる事にしたのです。
●再生させる下準備
前置きが長くなりましたが、まずは再生させる音楽ファイルを準備します。
無圧縮のデーターと書いてあるだけで、ファイル形式については触れられていません。
そこでまずは、無圧縮のFlacデーターを投入してみました。
しかし残念ながらFlacのデーターは認識すらしませんでした。
そこで次はWAVです。するとどうでしょう、認識しています。
実験の為、CD音質の16bit 44.1kHzや48。24bit 97kHzなどを入れてみました。
実際に再生させてみると、再生スピードがあってるものもあれば、早くなったり、遅く再生されるファイルとに分かれました。
これは本体の設定が48kHzになっていたので、48kHz以外の周波数のデーターは早くなったり、遅くなったりするのです。
この設定をファイルの周波数に合わせる事で解決は出来ました。
bitに関しては16か24であれば問題はないようです。
UFXはPCが無くても、本体のノブだけで全ての調整が出来るのが売りの一つでもあります。
ただ操作できるノブやボタンが少ないので、非常に面倒くさいのですw
いつもはPCのウインド内で設定していたので、今回改めてUFX本体だけで調整してみると、この周波数のページにたどり着くのにかなりの時間がかかってしまいました。
本当に周波数が調整できるのかと思うくらいいじくりまわしたのですが、無事解決しました。
●周波数調整

周波数調整は、本体液晶画面の左側にある4つのボタン。その一番下にある「SETUP/REV」ボタンを押す事から始まります。
SETUP/REVモードに入ったら、今度は液晶の右側にある2つのノブのうち、上の①ノブを回します。
すると①の項目が変化していきますので「Options」にします。
次に②のノブを押してOptionsと表示されている一つ下の項目をいじれるように複数回押してもって行きます。
項目まで移動したら②のノブを回すと項目が変化していきます。そこで「Clok」に設定。
その中にある「Sample Rate」が周波数になります。
あとはその周波数をファイルの周波数に合わせれば調整完了です。
周波数設定は曲を流しながらでも変更可能でした。
●再生モード

再生モードは液晶左の4つのボタンのうちの上から2番目の「METERS」で再生画面が現れます。
一番上の項目がファイル名。下に再生や停止ボタンがあります。
●再生できるファイル
先ほども書いたとおり再生できるファイルはWAVに限ります。
WAVであれば、16bit,24bitであれば、下は32kHzから上は192kHzまでのファイルに対応します。
ただ、ここも注意が必要で、残念ながらフォルダ検索が出来ません。
ですので、再生させたいファイルは一番上の階層に置いておかなければなりません。
よって、データのジャンル管理は一切できません。
それがRMEをジュークボックスには出来ない大きな理由の一つとなるのです。
次に、ファイルの連続再生は出来ません。
違う曲を選ぶには、一度再生を停止させてカーソルを曲目項目までもっていって曲を選び、またカーソルを再生ボタンに移動させる。
これをしなければいけませんし、曲のループ再生も出来ません。
また、ファイル名はアルファベットに限りられます。日本語ファイルのデーターは読み込みされません。
更に気になるのが、曲の再生終了部分でプチっとノイズ音が出てしまう事です。
これもスピーカー等で大きな音で再生させるには痛い部分でもあります。
あくまで簡易再生モードとして認識するのが正しいようです。
●WAVファイルでも再生できないものがある
さて、先に再生できるフォーマットはWAVと書きましたが、WAVにも再生できるものと、出来ないものの形式があるようです。
私はProtoolsで製作したWAVを書き出すのですが、なぜか再生できません。
ファイルは認識しているのですが、再生ボタンが押せないのです。
それが購入したときに試して再生を諦めた理由だったのですが、WAVでも再生できないファイルもあるのです。
それを回避する一番簡単な方法はPCソフトのxrecordでファイルを生成する事です。
本来は音楽製作ソフトで再生できる設定を探せばいいのですが、ここまで癖があると思うともやはUFXをメディアプレーヤーとして使う事を諦めてしまったのですw
なので、遊び的に再生させてみようという流れになってしまったのですが、一番簡単な再生に支障がないファイル生成方法がxrecordの生成となったわけです。
xrecordで生成したWAVファイルはどの周波数も問題なく再生できました。
また生成したファイルは全て24bit 48kHzに設定しました。
44.1のはアップコン。96や192はダウンコンとなるのですが、もうファイルごとに一々再生周波数を調整する事自体が面倒になってしまったのです。
これを回避して、いかにジュークボックスとして使えるかの模索が形式の統一でした。
遊びとしての使い方ですので、私はこんな使い方をしてみることにしました。
という事で、UFXはかなり癖のあるメディアプレーヤーとしては、とりあえず使えるといった結果となりました。
飛び道具で使うには面白いかと思います。
音楽制作の仕事の合間にとかでも良さそうではありますかねw